今回紹介する大酒神社は、京都市右京区太秦蜂岡町にあるお社です。≪祭神≫秦始皇帝弓月王（ゆんずのきみ）秦酒公（はたのさけのきみ）≪相殿≫相殿神兄媛命（えひめのみこと） - 呉服女弟媛命（おとひめのみこと） - 漢織女これは広隆寺。大酒神社はこの東隣に鎮座していますが、明治の神仏分離…… more 以前には、広隆寺の桂宮院内に鎮座する伽藍神であったとされます。なかなかショッキングなのは、この由緒書です。戦乱の中国を避け、秦始皇帝の神霊を奉じて、子孫である功満王が渡来したというのです。まあそれは、京都で育った人間なら、小学校の社会科とかで少しは習います。驚くのは、応神天皇14年（372）、186709余人が帰化したというのです。当時の京都は、「山背」という言葉が示すように、難波や大和からは山の向こうの僻地でした。巨椋池という湖や湿地帯もあり、大雨が降れば桂川（嵐山・渡月橋の下を流れる川です）が氾濫。そんな住みにくい場所が、後に都になるとは、誰も思っていなかったでしょう。そこに18000人以上が引っ越し、松尾大社や伏見稲荷を整備して生活したなら、もはや京都は秦氏の王国だったはず。これは、秦氏がかかわる松尾大社。そして、おなじみの伏見稲荷。ここは秦氏の創建です。京都は渡来文化の色濃い都なのです。それだけではありません。ひとりの子どもには、親が2人で祖父母は４人。曾祖父母は８人と、倍々ゲームで増えます。そして、先祖を13代たどると、もはや先祖の数は一万人を越えます。むろん、応神天皇14年（372）に186709余人が帰化したなどと言うのは、確実な史実かどうかはわかりません。先祖の数も、あくまでも数字上の延べ数に過ぎないのも確かです。しかしそれでも、生粋の京都人なら、先祖代々のなかに秦氏の血が混じっていない事など、あり得ないと思います。万世一系の桓武天皇でさえ、お母さんは渡来人の高野新笠でした。朝鮮半島や中国における現在の政治体制が信用できないからと、渡来人・帰化人の話を嫌う方もおられます。しかし、中国共産党はたかだか百年。韓国の「共に民主党」などは、前身となる新政治民主連合でさえ2014年3月26日の結成です。二千年以上にわたる関係史の中では、渡来人のことはもっと考えられていいと思います。というより、大化の改新も壬申の乱も、日本国内の百済派対新羅派という対立に唐が絡むという図式が、極めて重要だったと思います。それはともかく、京の伝統工芸を生業としていた私の祖父母は、おそらく先祖のどこかで秦氏とクロスしていたにちがいありません。下は、大酒神社の奇祭、牛祭の摩多羅神です。（ウィキペディアより）これは元々、異国の祭りなのでしょうか。京都の文化とは、本来国際的な文化でした。そのひとつが、この神社とこの祭儀かもしれません。四苦八苦のネタ探し、三つクリックしていただくと元気が出ますので、よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

大酒神社（太秦）・秦の始皇帝と秦氏