鳥取市佐治町大井の熊野神社遺跡。以前の記事でも取り上げましたが、今回は未掲載の境内写真をたくさん入れて、独特の雰囲気を感じて頂きたいと思います。さて、鳥取市のホームページによれば、境内の積石塔（古墳）に関して塚の形式が朝鮮半島の積石塚やインドネシアのボロブドウール仏教遺跡との関係…… more をうかがわせます。と記されています。日本の神社における外国文化の影響を記しているという点で、大変重要な問題をはらんだ解説です。まずは、写真をご覧ください。この熊野神社遺跡は、江戸時代前期の古文書、「稲葉民談記（いなばみんだんき）」「因幡誌（いなばし）」に記載され、熊野薬師、熊野三山信仰の遺跡として知られてきました。江戸時代に入ると、石仏も安置され参詣者も増加し、無病息災と学問や安産にも効き目のある信仰の場所として栄えたそうです。ところが、大正5年(1916)に口佐治神社に合祀され、廃絶します。日本の神社文化の多様性を物語る、このような貴重な信仰文化を合祀で廃絶するとは、極めて残念です。以前にも書きましたが、日本の原始神道における「磐座文化」あるいは「石神文化」というものは、それぞれほぼ全国一律なものと理解されがちです。しかし、はたしてそうでしょうか？下は、タヒチマラエです。タヒチにおいて、島の神の降臨儀式にかかわる立石等ですが、同じ神の降臨と言っても、北方ユーラシア系の文化と同じではないように感じます。これらは熊野神社遺跡と直接の関係はありません。しかし、恐らく原始神道における神の概念、とりわけ磐座や巨石信仰も、ドルメン系をはじめ中国や朝鮮半島からだけでなく、いくつかの別の窓口を通って流入したものと思います。それが日本の風土・文化の中で次第に同化してきたのであって、明治維新まではかなり独特の神社文化がまだ残っていたのではないかと考えています。ひょっとすると、異質な神社文化を同化吸収する役目を、明治政府の合祀政策が担っていたのかもしれません。考えすぎだろうが、まあそれもひとつの仮説かもな、と思われましたら、ポチよろしくお願いいたします(^^♪。にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

熊野神社遺跡という謎