「元出雲」と呼ばれる、京都府亀岡市の出雲大神宮。下の立札を見れば、縄文時代の創建ということになり、その根拠もきちんとあるなら、出雲大社より古いと主張されるのも当然かもしれません。本殿。立派な本殿ですね。ところが「出雲神社牓示図」という古図には、社殿はいっさい描かれず、本殿も拝殿も…… more ありません。一般的に、神社に常設の社殿ができたのは、七世紀後半からだといわれています。たとえば、世界遺産「沖ノ島」で有名な宗像大社。この重要なお社で、沖ノ島に次ぐ二番目に重要な古代祭祀の場はどこか。それは意外にも、この何もない「高宮祭場」という空間でした。これが神道史上の歴史的事実です。本来「ヤシロ」には、何もなかったのです。（ただし沖ノ島には巨石累々たる磐座群がありました）そんな、社殿のない古代。出雲大神宮の本殿背後には・・・・やはりこれが存在しました。巨大な磐座です。そして極めて重要なことは、その背後に、注目すべき建造物がある事です。現在は立入禁止のため、ほとんど見えませんが、かつて撮影した貴重な画像がこれです。そう、古墳の石室が位置しているのです。そういえば、伊勢外宮を見下ろす高倉山にも巨大な古墳がありました。これが高倉山古墳です。伊勢神宮でさえ、背後に古墳の石室があるのです。白髭神社の記事で「しかし起源の古い神社境内に古墳がある事は、実例としてたくさんあります。谷川健一さんが推理されたように、神社の起源のひとつは有力な首長やシャーマンの墓に対する祭祀から始まった可能性は高いのです。」と書きました。これだけそうそうたる古社に古墳があるのですから、神社の起源がその地域の始祖的人物の古墳祭祀から始まった可能性が高いわけですね。死者を扱うのは仏教であり、神社は死の穢れを嫌うはず・・・・という論理は、実は成り立ちません。神社に関わる常識も、時代によって変化しているわけですね。☆彡ちなみに、出雲大神宮背後の山には、こんな磐座群があります。これらの磐座が、「皇祖より一万年古い」という出雲大神宮の原点なのでしょうね。それもアリかな、と思われましたら、ポチよろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

出雲大神宮と伊勢外宮から考える・神社の起源は死者の祀りなのか？