昨日の記事で、この画像を出しました。縄文時代前期中頃から中期末葉（約5900-4200年前）の大規模集落跡である、青森県の三内丸山遺跡ですね。写真の六本柱建物跡は、特に謎めいた重要なものとして注目されています。ウィキペディアに、六本柱建物跡の復元に当たっては様々な意見が出された。…… more 建設する場所は六本柱建物のあったと推測される場所のすぐ脇に決まったものの、ただ柱が立っていただけなのではないかと言う意見や、逆に装飾具などもある非常に凝ったものだったのではないかと言う意見も出された。考証と施工は小山修三の監修の下、大林組のプロジェクトチームが行った。結局、中間を取って屋根のない3層構造の建物になった。しかし床があるのに屋根がない、もしくは床がないのに屋根があるというのは中途半端な感が否めず、後々までこれでよかったのかと疑問の声が上がる要因となっている。と書かれているように、はたしてこんな復元でよかったのかは、かなり疑問が残る所です。そして、おそらく結構な数の人が、これを見てふと気がつくであろうことがあります。それは何か？これですね。古代出雲歴史博物館に展示されている、復元された出雲大社です。40ｍ級の、まさに高層建築。とくにこのモデルは、福山敏男・京都大学名誉教授が戦前に想定した設計図を元に、1980年代に入って株式会社大林組の復元プロジェクトで部分修正し製作されたものです。　　☆京都大学名誉教授の梅棹忠夫氏は三内丸山遺跡の6本柱をみて、出雲大社と同じだなと感じられたそうです。木を見て森を見ない歴史家は多いと思いますが、木をみて森も見る歴史家が梅棹さんだと私は思っていますので、この直観は重要でしょう。方言における出雲と東北の類似性は、古くから指摘されてきました。最近では遺伝子レベルでも類似点があるのだそうです。しかも出雲大社と三内丸山遺跡の巨木文化の中間点には、石川県鳳珠郡能登町の真脇遺跡（まわきいせき）があり、そこにはこんな巨木文化がありました。縄文時代前期から晩期にいたる集落跡に立つ、謎めいたウッドサークル(環状木柱列)です。さらにこれは、弥生時代の土器に描かれた「高楼」です。(鳥取県稲吉角田遺跡)日本海沿いには縄文のころから、巨木を用いた神殿？を建てる文化があったのでしょう。そしておそらく内陸の諏訪にも、巨木文化は影響していたと思われます。御柱ですね。これは、諏訪大社上社本宮の案内板です。いちばん奥に神体山があり、麓に御柱と硯岩が位置しています。硯岩は境内最上段に位置し、神が降臨した磐座として信仰されてきました。神体山と巨石の関係は、最近の集中記事で載せた通りです。縄文起源の古い信仰である可能性が高いわけですね。そしてそこに、御柱祭で知られる御柱が立つのですから、これも縄文巨木文化だと考えてさほど無理はありません。出雲大社の高層本殿、鳥取県稲吉角田遺跡の高楼、真脇遺跡のウッドサークル、そして三内丸山遺跡の六本柱建物跡。みな同じ日本海縄文文化の流れをくむ遺跡のように思います。いいですねえ、ザ・縄文(^^♪三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

出雲大社・諏訪大社・三内丸山遺跡の共通点