川上神社(河内長野市) ・稚児相撲が行われる観心寺七郷の産土神の詳細

川上神社(河内長野市) ・稚児相撲が行われる観心寺七郷の産土神
ちょっと気になる! ~大阪発史跡旅~
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記事タイトル 川上神社(河内長野市) ・稚児相撲が行われる観心寺七郷の産土神
概要

川上神社 2021年10月訪問川上神社(かわかみじんじゃ)は大阪府河内長野市鳩原(はとはら・はとのはら)にある神社です。大阪府南東部、南河内の中でも山あいの集落に鎮座する神社ですがその氏子地区は広大で、氏地の中には弘法大師や楠木正成にゆかりのあることで知られる観心寺などもありま…… more す。川上神社(河内長野市) 川上神社の鎮座地である鳩原は、縄文時代の遺跡も発見されるほど古くから人々が暮らしてきた地域で、その地名の由来には「白鳩献上の地」という興味深い伝説があります。 歴史と概要川上神社の正確な創建年は不祥です。御祭神として素盞鳴命を祀る当社は、もともと鎮座地の地名から鳩原神社と呼ばれ、鳩原のみならず石見川(いしみがわ)、小深(こぶか)、太井(おおい)、鬼住(おにずみ。現神ガ丘。かつては小西見などとも)、河合寺、寺元のいわゆる、観心寺七郷の産土神でした(観心寺七郷については観心寺のある寺元を除き、鳩原、石見川、小深、太井、鬼住、上岩瀬、下岩瀬の七郷としているものも)。説明板 後に、当地から約1.5km北西にある高野山真言宗の寺院、檜尾山観心寺の境内に移転され、同寺の鎮守として祀られていたようです(中世、鳩原は観心寺領でした)。江戸時代の初め頃に鳩原神社は旧社地に復座しましたが、鳩原以外の各村はそれぞれ別の氏神を祀るようになり、鳩原神社は鳩原村のみの氏神となりました。明治5年(1872年)に近代社格制度で村社に列格。明治40年(1907年)10月18日に当時の南河内郡川上村大字河合寺字河合山の村社河合神社、大字鬼住字ヒガヒ谷之上の村社天神社、大字寺元字西の宮の村社八坂神社、大字寺元字堂の上の寺元神社、大字小深字コゾノ尾の小深神社、大字石見川字宮の尾の村社御嶽神社、大字太井字アサヒの村社八幡神社を合祀しています。この合祀により、再び旧七郷の産土神となった鳩原神社は今の川上神社と改称し、翌明治41年(1908年)に、神饌幣帛料供進神社に指定されています。境内略図 川上神社の本殿裏には円形の石塚があり古来御神体のように取り扱われていましたが、観心寺文書によると、これは観心寺の実質的な開山とみられる実恵(じちえ・じつえ)の上足弟子、眞紹律師の墓所のようです。眞紹は晩年観心寺の奥の院を鳩原に建立し、貞観15年(873年)7月7日に75歳で示寂。そして堂の乾(北西)の方角に葬られたようです(現在、塚の南東に堂は無いようです)。ちなみに、実恵は檜尾僧都や道興大師と呼ばれた空海の十大弟子の一人です。眞紹はその実恵阿闍梨から灌頂を受けた真言宗の第3番目の阿闍梨で、仁寿3年(853年)、京都東山に(永観堂)禅林寺を建立しています。大正時代に刊行された大阪府全志には、村の言い伝えとして「鳩原の北西、字宮林の西隅に石で蓋われた古墳があって実恵の墓といわれていたものの、実恵の墓(道興大師御廟)は観心寺にある」と記されています。なお、観心寺には道興大師御廟の他にも楠木正成の首塚がある他、宮内庁が管理する後村上天皇檜尾陵、阿野廉子(新待賢門院)の墓とされるコウボ坂陵墓参考地、観心寺の近くには長慶天皇、あるいは阿野廉子の陵といわれる檜尾塚陵墓参考地があるなど、この周辺には歴史上の人物の陵墓が点在しています。川上神社は明治の末に石見川、小深、太井、鬼住、河合寺、寺元(2社)各村の神社を合祀しましたが、現在の御祭神は素盞鳴命のみのようで合祀神の名は書かれていないようでした。境内社も旧鬼住村の天神社を移したと思われるもののみ確認出来ました。現在は、旧鬼住村、今の神ガ丘以外の地区には旧村社を復社したと思われる小祠などが祀られているところもあるようです。川上神社は神職不在神社のため、長野神社が管理しています。祭礼川上神社の祭礼では、毎年10月の秋季例大祭(秋祭り)で開催される「稚児相撲」が知られています。これは1歳児の健康と成長を神前で祈願する、いわゆる「泣き相撲」で、行事立ち合いのもと親に抱かれた子供が睨み合い、どちらかが泣き出せば勝負がつきますが、川上神社では負けはなく、両者勝ちか引き分けとなるそうです。現在では川上神社の氏子でなくとも参加できるとか。なお、地車(だんじり)は既に廃絶されているようです。鳩原「鳩原」という地名の由来は、続日本紀の第42代文武天皇3年(699年)3月の條にある「甲子 河内國獻白鳩 詔免錦部郡一年租役」、つまり、河内国錦織部から朝廷へ白鳩が献上され、これを喜んだ文武天皇が当地の租税を一年間免じた、という故事に由来しているとされます。また、鳩原地区の北西から南東に走る国道310号の西側には鳩原遺跡があります。鳩原遺跡の発掘調査では、縄文時代中期(約4400年前)の竪穴式住居跡が発見された他、土器や石も多数出土したことから、当時この地域の人々が狩猟や採集を行っていたことがわかっています。これら鳩原地区や鳩原遺跡についての案内看板が、国道沿いの川上神社入口から70mほど北(河内長野市街地から向かうと手前)に設置されています。国道沿いの看板 川上神社の鎮座地である鳩原地区の明治以降の歴史を簡単に振り返ると、当地は明治の初めまで河内国錦織郡鳩原村でしたが、明治22年(1889年)の町村制施行により、錦部郡寺元村、鬼住村、河合寺村、太井村、小深村、石見川村と合併して川上村(石川の上流に位置することが由来とも)となりました。明治29年(1896年)には所属郡が南河内郡に変更。当時の当社鎮座地は南河内郡川上村大字鳩原字ハナミゾとなっています。川上村は昭和29年(1954年)に長野町、三日市村、高向村、天見村、加賀田村と合併し河内長野市が発足。この年、大字鬼住が改称して神ガ丘となっています。 境内川上神社の入口は国道310号沿いにあります。参道入口の社号標 河内長野の市街地や観心寺方面から国道310号を奈良県五條市方面に向けて進むと、鳩原地区の案内看板があり、さらに進むと左手(東側)に川上神社の社号標があります。社号標から真っすぐ延びる参道の先には石段があり、その上に鳥居が見えます。石段までの左右には民家が建ち並んでいますが、かつてこの辺りは旧川上村の中心地だったようです。近くには川上簡易郵便局もありましたが一時休止の後、令和3年(2021年)に廃止されたようです。石段と駐車場への坂 国道から60mほど東に進むと正面が石段、右側が坂道となっています。右の坂道は境内の駐車場に続いていますが、大型車には少々厳しい道になっています。ちなみに、左手の電話ボックスは空で、公衆電話は境内にあります。一の鳥居 石段を上ると石造りの一の鳥居があります。この右手に江戸時代に奉納された石灯篭がありますが、この先の境内にある燈篭や狛犬はほとんどが江戸時代のもののようでした。境内東側 一の鳥居をくぐると広場になっており数台の車を停めることが出来そうです。左手には社務所?や寺院のような建物が見えますが、まずは正面奥の説明板や手水舎の方に進みます。参道と手水舎 説明板と手水舎の間には奥に続く参道があります。水盤 手水鉢は自然な風合いのものですが、訪問時は使用できませんでした。二の鳥居 参道に入り、手水鉢裏の蔵の前を通って進むと一対の石灯篭があり、その先に二の鳥居、さらにその奥にもう一対の灯篭があります。二の鳥居の前後には、右手から拝殿、本殿へ至る坂道もあります。三の鳥居と拝殿 石造りの二の鳥居をくぐり、石段を上るとさらに石造りの三の鳥居があり、その先に拝殿が見えます。拝殿入口 拝殿は割拝殿のようになっていますが、右手が参集殿?で左手が土間のようでした。稚児相撲の土俵で使われる輪? 拝殿内左手の壁には茅の輪くぐりの輪のようなものがありましたが、稚児相撲の土俵で使われる輪でしょうか。拝殿から延びる石段 拝殿の奥に賽銭箱があるのでこちらで参拝します。さらにその先には高い石垣と石段があり、石垣の上に透塀、石段の先に神門が設けられており、本殿は屋根の一部が見えるのみです。なお、石垣の下に狛犬、上に石灯篭がそれぞれ一対ずつあります。石灯篭と夫婦杉 拝殿前を右手に進むと、下からの坂道と合流する辺りに根元が一つになっている大木がありますが、これは夫婦杉と呼ばれる御神木です。拝殿右手の上り坂 拝殿前を右に進むと突き当りの右に下への道、左に上の拝殿などへ向かう道があります。拝殿左手の上り坂 また、拝殿前を左に進むとこちらにも上の拝殿へ続く坂道があります。なお、こちらの坂道の途中に石塚へ向かう道の分岐があります(後述)。左(西)側から見た本殿 拝殿から左右どちらの坂を上っても本殿前に進むことが出来ます。本殿 拝殿からは本殿がほとんど見えませんでしたが、こちらではすぐ前で参拝出来ます。川上神社の本殿から拝殿、二の鳥居までの参道は南西を向いています。鬼住神社 本殿に向かって左手には境内社の鬼住神社があります。恵比寿神社 また、本殿に向かって右手には恵比寿神社があります。旧鬼住村から合祀された村社の天神社の御祭神は事代主命と菅原道真公でした。事代主命は「えびす神」でもあるので、右の恵比寿神社に事代主命、左に鬼住神社に菅原道真公が祀られているのでしょうか。分岐にある案内板と灯篭 次に、拝殿から見て左の坂道の途中ある分岐から、本殿裏にあるという石塚へ向かいます。分岐には小さな案内板と、石灯篭があります。なお、この灯籠には「三嶽大明神」などと彫られていることから、合祀された旧石見川村の村社御嶽神社から移されたものと思われます。石塚への道 石塚への道は特に整備されていないので足元に注意しながら進みます(途中には猪が掘ったような跡も)。尾根の上の道からは川上神社の本殿や拝殿も見えます。石塚 数十メートル山道を上ると玉垣で囲まれた石塚が見えて来ます。玉垣など一部崩れているようですが、塚の存在を確認できます。社務所 手水舎や説明板、一の鳥居のある広場まで下り、境内の西側へ向かいます。最初にある民家のような建物は社務所のようです。かつての檜尾山彌勒寺のお堂 その左手にある仏教寺院のような建物は、手前の柱に「河内長野市鳩原集會所」とありますが、奥には「檜尾山 彌勒寺」の扁額が掲げられています。檜尾山彌勒寺は観心寺の奥の院とも伝えられていますが詳細は不明です。茶川地蔵尊(左)と延命地蔵尊(右) 彌勒寺のお堂からさらに左奥に進むと、左に茶川地蔵尊、右に延命地蔵尊があります。五輪塔の一部など 地蔵尊の左手にはかつての彌勒寺のものと思われる五輪塔の一部などが集められていました。一の鳥居から見た集落 川上神社の拝殿や本殿周辺は木々に囲まれ鬱蒼としていましたが、一の鳥居付近では石見川沿いに開けた集落や田畑の景色がよく見えます。周辺7ヶ村の産土神とされた川上神社には、鳩原地区以外からも奉納された石造物や幟が多数あることから、広範囲の人々から信仰されていたことが窺え、社殿や境内などもしっかり手入れされている印象でした。なお、川上神社から約1.5km北西に観心寺、約1.5km西に延命寺、また約800m北東の千早赤阪村には西恩寺があります。 アクセス公共交通機関では、南海高野線・近鉄長野線「河内長野」駅より南海バスに乗り「川上神社前」バス停で下車。70mほど(河内長野駅方向)に戻ると右手に「川上神社」の社号標と参道入口があります。国道沿いの神社入口(左)と看板(右) 「河内長野」駅北の国道170号線(旧道)「菊水町」交差点からは東に向かい国道310号に入り、道なりに約5km進むと左手に参道入口の「川上神社」の社号標があります。参道を60mほど上り石段の手前から右手の坂を上ると駐車スペースがありますが、途中の道幅、勾配、急カーブと小回りのきかない大型車などには少々厳しい状況のため注意が必要です。 Kawakami Shrine(Kawachinagano CIty,Osaka Prefecture) close

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タグ お寺 古墳 大阪府 寺院 河内長野市 神社
投稿日時 2021-10-23 00:40:47

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