地図上の神社や磐座や山頂などを直線で結び、祭祀文化を論じる手法があります。もし直線で結ばれた神社等が、古代祭祀において重要な意味があるのなら、それはいつごろから、何のためにそんな位置関係が存在するのでしょう？「それはレイラインでしょ」と言われる方もありますが、古代の日本にそんな外…… more 国の奇妙な思想があったとは思えません。　☆これは、対馬市美津島町洲藻の白嶽神社です。背後に見えるのは、対馬島民の厚い信仰に支えられた霊峰・白嶽。つまりこのお社は、白嶽の遥拝所でもあります。この山は、単に神体山信仰があるというだけではありません。古来、海を航海する人々の目じるしにもなっていたのです。GPSなどのない時代は、経験と勘で航海しなければなりません。方向を間違えて漂流すれば、命の保証はないのです。そんな時、何もない水平線に、見慣れた霊峰の頂上が見えてきたら、誰だってホッと安心感に包まれます。航路が間違っていなかったという証明なのですから。霊峰の神に、感謝の気持ちも湧いたことでしょう。霊峰は単体の目印だけでなく、さらに海上での位置を確実にするために、『山立て』という方法が用いられました。実はこれ、現在の小型船舶操縦士の免許を受験する時にも出てくる必須課題で、山頂や岬などを目視上で結んだ延長線で自船位置を把握する技術です。この線が複数あれば、海上での位置がほぼ確定できます。これは良い漁場の目じるしにも利用されているのです。おそらく白嶽のような霊峰を利用した「山立て」が、神の来臨などの信仰とも重なって陸上にも適用されたものが、神社や山頂などを直線で結ぶ観念の起源のひとつと推測されます。あるいは宗像大社。沖ノ島の沖津宮、筑前大島の中津宮、宗像市田島の辺津宮（総社）の三社が海上を貫く一直線上に位置していることは、これまで何度も書いてきました。やはりこれらは海人系の祭祀思想なのでしょう。なお対馬では、おそらくこんな印象的な山も、山立てに使われていたものと思います。実際、頂上の岩には祠があり、雨ごい等の祭祀が行われていたそうです。実際に見れば、荒々しくも神々しい、不思議な印象が迫ります。　　☆なんとも不思議な事実があります。奈良の巻向山（黄色）・三輪山（オレンジ色）・大和三山の耳成山（紫色）は、正確に直線上に並びます。拡大していただくと、大神神社（特に狭井神社）や一の鳥居なども正確にライン上に乗ってきます。（大鳥居と三輪山）（元旦早朝の大神神社）ところが、それどころではない、驚くべき事実があります。立体的に横から眺めると、この三つの頂上は、やはり正確に斜めの直線で結ばれるのです。昭和の中頃、この事実に気づいた建築家の八木力雄氏が、耳成山人工説を唱えられました。今に続く、「大和三山ピラミッド説」の起源でしょうか？？？・・・・うーん、この「直線上に並ぶ」という意味は、意外に奥が深い謎かもしれませんね。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

霊峰「白嶽」・神社が線上に並ぶ意味あるいはレイライン