本日、いちばん見て頂きたいのは、ずいぶん前の春分の日に撮った写真です。普段は閉じている五重塔の扉が開かれ、朱色の夕日が全面に差し込んでいます。アップします。ほぼ真横に位置する夕日の光線が、開かれた扉にまるまる差し込み、何かがオレンジ色に輝いているのが分かります。古い写真で、その時…… more の雰囲気が伝わりませんが、普段は暗いはずの五重塔の基部が、朱に染まって輝いているのです。何とも印象的な光景でした。そして、「そういう事だったのか・・・・」と、私はやっと気がつきました。このことは、この神社とも深く関わるようです。　　☆上の五重塔は、大阪の四天王寺です。四天王寺の起源については、ホームページにこう記されていました。四天王寺は、推古天皇元年（593）に建立されました。今から1400年以上も前のことです。『日本書紀』の伝えるところでは、物部守屋と蘇我馬子の合戦の折り、崇仏派の蘇我氏についた聖徳太子が形勢の不利を打開するために、自ら四天王像を彫りもし、この戦いに勝利したら、四天王を安置する寺院を建立しこの世の全ての人々を救済する」と誓願され、勝利の後その誓いを果すために、建立されました。なるほど、物部守屋と蘇我馬子の戦いにかかわるお寺なのですね。また、ウィキペディアにはこんな記述も。院政期の上皇や法皇は四天王寺にしばしば参詣した。後醍醐天皇は上述の『四天王寺縁起』を自筆で筆写し、巻末に手印を捺している。これは「後醍醐天皇宸翰（しんかん）本縁起」として現存し、国宝に指定されている。平安から鎌倉時代の新仏教の開祖である天台宗の最澄、真言宗の空海、融通念仏の良忍、浄土宗の法然、浄土真宗の親鸞、時宗の一遍などが四天王寺に参篭したことも知られている。いやー、かなり重要なお寺ですね。（ウィキペディアより）では次に、四天王寺ホームページより、3月21日に関わる行事を抜粋。3月21日 終日大師会（弘法大師忌）場所境内一円弘法大師の月命日、毎月21日は俗に「お大師さん」と呼ばれ、境内に露店が並び、たくさんの参詣の方が来られます。弘法大師は聖徳太子を讃仰され、若き日に四天王寺に詣でて、西門にて入日を拝する日想観を修された。この機縁により毎月21日に大師会としてのお詣りが江戸時代より盛んになったと言われております。3月21日 午後5時20分～日想観場所極楽門前四天王寺の西門石鳥居は、古来より極楽の東門にあたると信じられてきました。　現在も四天王寺では、彼岸の中日に石鳥居の向こうに沈む夕陽を拝し、極楽浄土を観想する日想観が行われています。「彼岸の中日に石鳥居の向こうに沈む夕陽を拝し、極楽浄土を観想する日想観」という行事が、これです。コロナのないころは、大勢の参拝者と僧侶で、足の踏み場もないくらい賑わっていました。般若心経が配られ、全員の読経もあります。　　「西方浄土」という言葉が示すように、東西軸は仏教にとって重要な方位軸でした。しかしそれは単なる西方への憧憬を越えた、不思議な事実が存在します。　　☆ほとんど世に知られず、事実上研究されていない巨大な事実。空海の御生誕所とされる「善通寺」と空海が修行した中国長安の「青龍寺」と空海が入定した「高野山」の緯度がいずれも北緯３４度１３分の東西線上に位置しており、「空海曼荼羅の道」あるいは「日本のダビンチコード・空海ライン」などと称される巨大な謎であることこれについては、これまで何度も触れてきました。驚くべきことに、空海のライバルでもある最澄にも、最澄の御廟(墓)である浄土院と最澄が延暦寺の守護神とした日吉大社(西本宮)と最澄が生まれた生源寺と最澄を開基とする岩蔵寺と山王権現の巨石群と石塔寺が、東西一直線上に並ぶことが判っています。空海にも最澄にも共通する、謎の東西線。この二人なしに、今日の日本仏教はありません。しかしほとんどの人に、この謎の存在すら知られていないという現実。生まれた場所と御廟(墓)が、空海も最澄もそれぞれ東西線上に位置しているだけでも、明らかに大きな謎、あるいは奇跡です。しかし、さらにもうひとつ不思議な事実がありました。開基伝説によれば、空海が唐から投げた三鈷は、空海ライン東端の高野山に落ちました。この松は空海が唐から投げた三鈷が掛かった松で、この縁で三つ葉になったとされます。これと同じく、最澄ラインの東端は石塔寺で、インドの阿育(アショーカ)王が投げた仏舎利塔が落ちたと伝えられていたのです。そしてそれを日本に伝えたのは、唐に留学した比叡山の僧・寂照法師で、いうまでもなく最澄を始祖と慕います。異国から投げたものがラインの東端に落ちたということまで、空海と最澄は一緒なのです。この同一性には、いったいどんな秘密が隠されているのか？しかしこのこともまた、研究者に知られていません。　☆これは、奈良県の三輪山麓に鎮座する、檜原神社です。いわゆる「太陽の道」の東西線上にある重要なお社です。境内から見る二上山。春分、秋分のころ、神社の正面に見える二上山に夕日が沈む様子は、幻想的なまでに美しいそうです。神道であれ仏教であれ、私たちは伝統信仰における東西線というものの重要性について、軽く見すぎではないのか。「太陽の道」についても、学術的ではないと結論するだけでいいのか。　　☆そもそもなぜ西に浄土があるのでしょう？「浄土」の概念には、アショーカ時代のインドに影響のあったアラム文化が影響しており、そのアラム文化は旧約聖書とも関係があるため、「エデンの園」と「浄土」は共通性があるのだという学説があります。（エデンの園・ウィキペディアより）「エデンの東」と「西方浄土」という、意外な東西軸。あるいは、商(殷)代初期からの中国の都が、同一緯度に置かれている事例が多いことについて、『周礼』に「日至之景、尺有五寸、謂之地中」とあり、都城の緯度的な位置が重要視されていたともされます。「太陽の道」という東西線と、空海・最澄の東西線は、ひょっとすると同じ古代文化を起源としている可能性もあります。旧約聖書圏をも含めた、幅広い視点から再検討されるべきだと思います。記事を書く元気が出ますので、ポチもよろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

春分の日の謎・四天王寺の≪日想観≫と檜原神社の≪太陽の道≫