遅ればせながら「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」を観覧してきました。今回個人的に楽しみにしていたのは、十一面観音像の裏側を拝めるという点です。公式サイトには「360度ぐるり観覧」との売り文句が記載されております。しかも、昨年の東京国立博物館での同展覧会ではガラス…… more ケースに収められていた観音様も、今回はガラスケースなしの露出展示という贅沢さ。期待せずにはいられません。十一面観音の裏側を拝めるということは、後頭部にある暴悪大笑面を拝むチャンスだと意気込んで背面に周ってみましたが、そこではじめて気づきました。聖林寺の十一面観音様は暴悪大笑面を欠損されていたのですね。勉強不足でした。もともと大神神社の神宮寺である大御輪寺（現、大直禰子神社）のご本尊だったこの十一面観音が、廃仏毀釈の折りに聖林寺に避難された話は有名ですが、他にもいくつかの仏像が大御輪寺から他のお寺に移されています。今回展示されていた法隆寺の地蔵菩薩立像や正暦寺の日光・月光菩薩も大御輪寺から遷られた仏像です。正暦寺の日光・月光菩薩は今回初めて拝ませていただきました。なお、聖林寺の十一面観音、法隆寺の地蔵菩薩、大直禰子神社については過去にも記事にしておりますのでご参考までに。【参考記事】・聖林寺の十一面観音とマンダラ展・久しぶりの法隆寺(2) － 大宝蔵院と大宝蔵殿・聖林寺十一面観音のふるさと・大直禰子神社へ 「国宝 聖林寺十一面観音― 三輪山信仰のみほとけ」■会期：2022年2月5日（土）～3月27日（日）■会場：奈良国立博物館■開館時間：9:30～17:00■休館日：毎週月曜日■観覧料金：一般1400円■公式サイト：　　【奈良国立博物館 】　　【特別展「国宝　聖林寺十一面観音　― 三輪山信仰のみほとけ」】■今回見仏した御仏　・十一面観音菩薩立像 － 国宝、奈良時代、木心乾漆造、聖林寺　・地蔵菩薩立像 － 国宝、奈良時代、木造、法隆寺　・日光菩薩立像 － 平安時代、木造、正暦寺　・月光菩薩立像 － 平安時代、木造、正暦寺　　他■地図　 close

「国宝 聖林寺十一面観音 ― 三輪山信仰のみほとけ」展 （奈良国立博物館）