京阪本線「丹波橋駅」から地下鉄烏丸線に乗り継いで「竹田駅」下車、今年の春の京都非公開文化財特別公開で来た「安楽寿院」、二度目の参拝です。この辺りには鳥羽上皇の時に完成した大規模な宮殿「鳥羽離宮」の跡地で、広大な庭園といくつもの御殿と御堂が建ち並び、その宮殿の東端に御堂のひとつと…… more して建てられたのが安楽寿院、御本尊として阿弥陀三尊像が安置されています。前回は書院と庫裏庭園が特別公開でしたがすべて撮影禁止となっていていたためいち早く切り上げ、隣に建ち並ぶ阿弥陀堂、大師堂と境内の杉苔と木々の若葉の美しさに魅かれた覚えがあります。今回の再訪問、期待した境内の紅葉はあまり季節を感じさせるような光景ではありませんでしたが、境内の奥にある土を固めたような仏様が浮き出るような１m角の二基の絵「三尊石仏（三如来石仏）」をもうもう一度じっくり見たかったこともあってのことでしたから興味はこちらの方へ。平安時代のもので江戸時代に旧成菩堤院跡から発掘されたとのことで三基のうちの一基は保存状態が良く京都国立博物館庭内に置かれています。ここにある残りの二基、ともに平安時代末期の石造文化を伝える重要なものだと思いますが、雨ざらしにはなっていないもののさりげなく置かれているのが気になるところです。そして安楽寿院の南側に建つ近衛天皇陵の多宝塔、改修工事の真只中、紅葉どころではなく残念ながらこれは期待外れといったところでした。鳥羽上皇は後に出家して法皇となり最期はこの安楽寿院で御崩御されています。白河上皇から鳥羽上皇の時代に造営された広大な鳥羽離宮の忘れ形見のようにひっそり残る安楽寿院、最近は時々公開されますが洛中のような喧噪さはなく閑静な住宅街の片隅で穏やかに時を刻んでいるように思えました。 山門 大師堂 御堂兼収蔵庫と鳥羽離宮庭園の一部を復元した前庭 三尊石仏 薬師堂と鐘楼 （附）2016/04/30近衛天皇陵の多宝塔 close

京都　2016紅葉　安楽寿院　　2016/11/26