赤秦神社・国歌『君が代』の常識を覆す出雲のお社 の詳細

赤秦神社・国歌『君が代』の常識を覆す出雲のお社
神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
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記事タイトル 赤秦神社・国歌『君が代』の常識を覆す出雲のお社
概要

現在、ネットで君が代の「さざれ石の巌となりて」の意味を検索すると、ほとんどが小石が集まって大きな岩になるという意味だと書かれています。ところが、これを根本から覆す、重要な事例が書かれたブログを見つけました。「出雲大社の歩き方」ブログ様の、赤秦神社 成長する石? 世代交代する御神体…… more の謎!という記事です。厚かましくも、赤秦神社の写真をお借りしました。由緒書きに記された通り、この神社の御神体は石であり、年々大きくなっていくという伝承があるというのです。ところが驚いたことに、大きくなりすぎてご本殿に収まらなくなった、先代の「ご隠居岩」もあるのだとか。いやー成長する石が、一か所にいくつもあるとは、聞いたことがありません。いずれにしろ、人間と同じく、ひとつの個体が成長するのであり、小石が寄せ集まって大きくなるのではないのです。 ☆ではあらためて、二通りある「さざれ石の巌となりて」の解釈をまとめます。① いくつもの小さな石が、長い年月をかけて小石の欠片の隙間を炭酸カルシウム(CaCO3)や水酸化鉄が埋めることによって、1つの大きな岩の塊に変化したもので、学術的には「石灰質角礫岩」であるとする考え方。補足すると、岐阜県揖斐川町には、この説に基いた「さざれ石公園」があり、この周辺で産出したさざれ石が全国各地の神社に運ばれています。しかし、触れればポロポロ剥がれ落ちる岩が、永遠の命を象徴しているとはとても思えないのですが・・・。現地の説明板には、平安時代、木地師の藤原朝臣石位左衛門がさざれ石を発見し、わが君は千代に八千代にさざれ石のいわをとなりて苔のむすまで…の一首を詠んだとされます。では、もう一つの説です。② 一つの小石が、長い年月をかけてゆっくり成長する民間信仰に基いたものとする考え方。民俗学の創始者である柳田国男は、その著『袂石(たもといし)』のなかで、ひとつの石が成長して大きくなる民間伝承を多数採集し、筍のように早く成長するものでも、やはり人の知らぬうちに大きくなります。ましてや石は君が代の国歌にもある通り、さざれ石の巌いわおとなる迄までには、非常に永い年数のかかるものと考えられていたのであります。つまりは一つの土地に住む多くの人が、古くから共同して、石は成長するものだと思っていた為に、こういう話を聴いて信用した人が多かったというだけであります。と書きました。①のように、近代の地質学的知識から導かれた「石灰質角礫岩」説は、日本の伝統信仰と何の関係もあません。このブログで再三書いているように、「磐座信仰」つまり「石の聖性」が神社信仰の原点のひとつであるならば、石自体が成長する信仰に基いた柳田説が正しいのは明らかです。ところが、残念ながら「さざれ石」を解説したウィキペディアには「石灰質角礫岩」説が記されています。公平に書くなら、柳田国男説も載せるべきでしょう。その点「君が代」を解説したウィキペディアには、一方では、小石が成長して巨岩になるという古代の民間信仰にもとづいており、『古今和歌集』「真名序」にも「砂(いさご)長じて巌となる頌、洋洋として耳に満てり」とある。と、真っ当な説が記されています。ウィキペディアでも、書く人によって見解が違うわけです。  ☆以前にも書きましたが、「石灰質角礫岩」説は、第71代 内閣総理大臣であった中曽根康弘氏が、政治的な思惑で進められた運動であり、日本の伝統とは直接関係がありません。下は、私がかつて踏査した、櫃石島の王子神社に鎮座する「キイキ石」です。この岩は、今でもまだ大きくなっているとされます。少しずつ大きくなるという、まさに「国歌君が代のさざれ石」にふさわしい伝説を持つ、美しく神秘的な岩です。表面も滑らかです。ゴツゴツボロボロとはしていません。もちろんこの岩が「さざれ石」なのではなく、各地にあるこのような伝承が「さざれ石のいわおとなりて」という表現をもたらし、『古今和歌集』や『和漢朗詠集』などに抵抗なく取り上げられたと考えられます。古い文言の意味を探るには、現在の常識ではなく、それが使われた時代の常識を知る事が必要です。とりわけ国歌の意味を今風に勝手に解釈しているのは、かなり疑問に思います。その意味で、出雲の赤秦神社の事例は、極めて重要だと思う次第です。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

赤秦神社・国歌『君が代』の常識を覆す出雲のお社
サイト名 神秘と感動の絶景を探し歩いて  Beautiful superb view of Japan
タグ 独断と偏見の神道論 神社
投稿日時 2022-06-11 15:20:07

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