－下鴨神社（賀茂御祖神社）－・京都市左京区下鴨泉川町５９・京阪本線「出町柳」駅から徒歩１１分賀茂川と高野川が合流するこの辺りは糺河原と言われてきたそうです。中世には勧進猿楽などの芸能興行で賑わったところ。今は京都市民や観光客に愛される憩いの場となっています。そんな河原に敷かれた飛…… more び石を伝って下鴨神社のある方まで歩いていきます。鴨川から御蔭通に出て少し歩くと緑深い糺の森と参道が見えてきます。参道に入ってすぐ左側にあるのは下鴨神社摂社の河合神社。美麗祈願の社として知られるところです。そしてここは方丈記の作者である鴨長明ゆかりの地でもあります。長明は下鴨神社を統べる禰宜の家に生まれ恵まれた幼少期を過ごします。しかし後ろ盾となる父が早世し人生が暗転します。親族との相続争いに敗れ地位も財産も無くしていくことになるのです。不遇の時期を過ごす長明ですが47歳の時に再び好機が訪れました。後鳥羽上皇に抜擢され新古今和歌集の編纂に携わる役に就くのです。生き生きと仕事に打ち込む日々。ちょうどそんな折に河合社の禰宜に推挙されるという話が持ち上がります。長明はそれを望みますが親族からの反対で結局願いは叶いませんでした。彼は大いに落胆し世を儚み出家の道を選びます。ゆく川の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。淀みに浮かぶうたかたは、かつ消えかつ結びて、久しくとどまりたるためしなし。有名な方丈記の書き出しは世の無常を美しい文章で綴っています。一丈四方の草庵で暮らした晩年の日々。それは長明にとって穏やかで心豊かな時間だったのかもしれません。再び糺の森を歩いていくと木洩れ日に社が並びます。朱色の鳥居は緑に映えて鮮やかさを増していきます。やがて見えてくるのは相生社。ここには連理の賢木（れんりのさかき）といわれる御神木があります。縁結びの御神徳により二本の木が一本に結ばれていると伝わります。参道の正面を向くと下鴨神社を象徴する大きな楼門があります。その楼門を潜ると雅な雰囲気に包まれます。舞殿があり右手には拝殿へ向かう中門が並びます。謹んで参拝をさせていただきました。ここは境内の右手にある御手洗社の前。足つけ神事が行われるところです。御手洗池に膝まで足を浸し蝋燭に献灯し無病息災を願います。土用の丑の日の前後に行われる夏の風物詩です。境内の奥にある葵の庭には穏やかな時間が流れます。神社の西側から下鴨本通りに出ると賀茂みたらし茶屋がありました。みたらし団子は下鴨神社を由来とするものだといいます。無事に参拝を終え、ゆっくりと家路に着こうと思います。 人気ブログランキングへ close

［京都市左京区］下鴨神社