ここは、対馬の和多都美神社（わたつみじんじゃ）です。主祭神は彦火々出見尊（ひこほほでみのみこと）と豊玉姫命（とよたまひめのみこと）で、古くから竜宮伝説が残されている、何とも神秘的なお社なのです。ところがこのお社には、注目を集める特殊な鳥居があります。三柱鳥居です。流木などで見えに…… more くいのですが、鳥居の中央にあるのは、本来のご神体ではなかったかと言われる「磯良恵比須」という鱗状の岩なのです。同じパターンの岩は、陸の上にもう一つあります。これらと類似の三柱鳥居は、全国にいくつもありますが、もっとも古くて最も重要視されているのが、京都太秦の木嶋坐天照御魂神社（蚕の社）にある、「元糺の池（もとただすのいけ）」の三柱鳥居です。このお社は、由緒書きに「景教(キリスト教の一派ネストル教、約1300年前に日本に伝わる)遺物ではないかと伝われている」と記されています。そのためか、和多都美神社の三柱鳥居にも、原始キリスト教やユダヤ教、ヘブライ語との関連があるという説が、ネットにはかなり出回っていました。いずれにしろ、和多都美神社の三柱鳥居と磐座が、信仰上きわめて大事な岩であることは確実です。ということは、鳥居と社殿を結ぶ線上に、鳥居を射抜くように位置しているはず。ここで思い出したのは、伊勢神宮のエリア、志摩市阿児町立神の立石大明神。立石浦に、高さ２ｍと0.6ｍ程度の夫婦岩がとして祀られています。（撮影時は干潮でした。普段は海の中です。）小さい方は見にくいのですが、鳥居の先に夫婦岩が位置しています。こちらは地上側に鳥居が連なるタイプですが、鳥居と岩は明らかに線上に並びます。　　☆では、和多都美神社ではどうなのでしょう？きっと同じに違いないと予想して、グーグル写真で線を引いてみました。ところが、鳥居と社殿は見事に直線上に位置するのに、二つの三柱鳥居は明らかにずれているのです。残念！・・・・ということは、三柱鳥居とその下の磐座は、多くの人が推理しているような重要なものではないのかもしれません。となると、ご神体ともいうべき最も重要な磐座は、社殿背後にある、この奇妙な岩々である可能性が高くなります。こちらも、原始神道時代のご神体として不思議のない、なんとも言い難い迫力です。　☆ほとんどの方は、和多都美神社の三つ鳥居が、古来より続く古い伝統だと信じておられます。ところが実は、そう古いものではないとわかってきました。三柱鳥居のない時代の写真も現存します。もともとは、しめ縄に囲まれた程度の磐座だったようです。しかし、この磐座が「阿曇磯良」にかかわるきわめて重要な磐座であることは間違いありません。ではこれらの磐座はどう考えるべきか。日本海の対馬が、外国文化の最もダイレクトな影響を受けてきた歴史を考慮するならば、原始キリスト教やユダヤ文化との関係も排除せず、グローバルな文化の流れの中で再考すべき問題なのかもしれません。三つクリックしていただくと、ネタ探しの元気が出ます。よろしくお願いいたします(^_^)/~にほんブログ村神社・仏閣ランキング close

三柱鳥居の不思議・和多都美神社と原始キリスト教やユダヤ文化