福島稲荷神社の安倍晴明伝説の詳細

福島稲荷神社の安倍晴明伝説
秩父・仙台まほろばの道
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記事タイトル 福島稲荷神社の安倍晴明伝説
概要

かなり深い話になってしまいました。 陰陽師からいろいろな事がみえてきました。 『福島稻荷神社の由緒は、社伝によれば第66代一条天皇の永延元年(987年)、 当時朝廷に重用された陰陽道博士従五位下、安倍晴明が詔を奉じて奥羽下向の際、 吹島の里(後に福島と改む)にさしかかり、西…… more には吾妻山が空にそびえ、 北には信夫山が平原の中より屹然として突出し、南は阿武隈川の清流洋々として東流し、 山水の風致、自然の景勝に目を見張るのみならず、地味肥沃にして農耕に適し、 将来大いに有望な地相であるとしてここに社を建て、 衣食住を司る豊受比売大神(伊勢神宮の外宮の御祭神)を勧請し、 此の里の総鎮守としたことに始まります。 承安元年晴明の孫清明が社殿を改築、のち天正、慶長年間兵火に会い焼失しましたが、 寛永元年板倉重憲が修営、さらに福島十万石の藩主堀田正仲 (元の大老、ゆえあって福島藩へ天封)は元禄2年(1689年)に本殿を、 同5年には拝殿を復興造営したことは今に棟札が残されており明らかであります。 (以下省略)』 福島における安倍晴明伝説 『福島市には、福島稲荷神社以外にも晴明伝説が伝えられています。 杉妻大明神と、晴明塚、道満塚の伝説です。 昔、神亀年間に笹木野村に大きな杉の木がありました。 田畑が日影になるので、役所に訴えてこれを切り倒しました。 ところが大杉の精(魂)が朝廷に祟りをして、天皇は病気になってしまいました。 朝廷は安倍晴明と蘆屋道満(あしやのどうまん)の二人を東奥(福島)に遣わして、 天皇の病気が治るように祈らせました。 二人は祟りをなだめ、杉の精を神として祀りました。 これが杉妻大明神であると伝えられています。 晴明塚は安倍晴明の功を称え、労を謝して祀った塚といわれ、 広い境内を持っていた羽黒山真浄院(清明町)の境内にあったと伝えられていますが、 現在は確認できません。 道満塚は蘆屋道満が祈祷した祭壇とされ、太田町ガード西南付近にあったと言われ、 道満塚の跡には愛宕神社が祀られていましたが、 東北新幹線の建設工事により、移転しました。』 ※絵馬殿(たくさんの奉納絵馬が納められていた) 福島稲荷神社のご祭神は、豊受比売命(トヨウケヒメノミコト、伊勢神宮外宮の神さま) とあり、ウカノミタマではないのです。 他、配神は、大國主命、言代主命。 ツツコを想う事代主。アジスキタカヒコネ? トヨウケもウカノミタマも、同じ「ウケ」(受ける)なので、 同一の神と言われていますが、個人的に福島稲荷神社が良かったのは、 鳥海山にも祀られている豊受大神だったからで、あんまりお稲荷さんの感じがしない。 岩沼の竹駒神社は、ウカノミタマなので、白狐色がとても強いです。 竹駒神社も小野篁が登場しますが、小野篁も陰陽師だったようです。 ※神楽殿 貞観地震(869年)に大地震と津波が国府を襲い、 多賀城に遷した経緯があったのですが、 地元の資料によると、岩沼に「本来は白狐がそこにいたから国府を置いた」 というちょっと意味不明な内容があった。 本来の陸奥国府は、竹駒神社だったのでは?という話。 それは、白狐がいたから。というのだ。 なんだか気になる話ですが、詳細不明。 確かに小野篁は国司として陸奥に赴任しており、それが竹駒神社なのだから、 そういえるのかもしれない。 千貫の松の話もありますしね。 ま、これは伝承程度にとどめておきたいが、何かありそうです。 禹王の妻も白狐なので、気になっているのですが、岩にいた白狐なのよね。 それで、天皇の病気を治すのは、九尾の狐伝説と同じで災いをもたらすのが、 白狐であるというのは定説で、それを陰陽師が退治するのも定説なのです。 しかも、福島ではあこや姫の松の木の精霊が、杉の木の精霊に変わっている。 どちらも木であることが共通なのですが、まず、杉妻大明神についての伝説を。 ※福島・未来塾すばるより https://blogs.yahoo.co.jp/fukushima_apple/13398195.html 「王老杉稲荷神社(おろ杉伝説発祥) 『昔、信夫郡笹木野村の豪農で庄屋をつとめる家に「おろす」という名の、 十六歳になる美しい娘がおった。 この娘のところには村の若者がよく遊びに来ていたが、その中にきまって夕刻、 ただ一人で通ってくる青年がいた。気品のある顔立ちで、他の若者とは違っていた。 この青年が、おろすの部屋に入ると杉の木を鋸でひいた時の特有の香りがしていたそうな。 おろすは、その若者にだんだんと好意をもち、どこから来ているのだろうと思った。 ある夜、おろすがこの若者の着物に糸をつけた針を刺しておき、若者が帰った後、 その糸を手繰っていくと、何百年もたっていると思われる杉の大木に刺さっていた。 おろすの憧れの人は大杉の精であった。 村人がこの話を聞きつけ、この大杉を「王老杉」と呼ぶようになり、 気味の悪い大木を切り倒すことになった。村人が大勢集まり切り倒しにかかったが、 大木のため、一度では切れない。 翌日まで残すと、一晩で切り跡も残さず元に戻ってしまった。 何回やっても同じで、杉の精の不思議さにあきらめかけていた時、 傍らのよもぎが、「その日に伐採したものはその日のうちに焼き払えば大丈夫」と教えてくれた。 その通りにすると、幾日かで大杉は地上に切り倒されてしまった。 しかし切り倒した大杉を運ぼうとすると、何人かかっても少しも動かない。 そこで娘のおろすにたのんで、「どうか動いてください」と声をかけてもらうと、 今度は簡単に動かすことが出来た。 その後、この大杉は、福島城下まで運ばれ、「城下の木の橋」と、 「大仏様」になった。』 おろ杉が、オロチみたいだ。 おろしが16歳というのは、十六夜姫(いざよいひめ)のことを差します。 これもあこや姫伝説のまんま。 やっぱり「橋」。 福島にも同じ伝承が杉で伝わっているのを初めて知りました。 竹駒神社も小野篁が陸奥へやってくる時に、 八声の橋と言われて、白狐が8回鳴いた伝承があり、それもやはり「橋」なのです。 また、福島城の郭内用水に架けられた杉の橋「密語橋」には、二つの伝説が残されていると。 ①福島城の杉の橋から夜になると、ささやく声が聞こえてくるため、 人々は気味悪がってこの橋を「ささやき橋」と呼び、 誰一人として渡る者がいなくなった。 そこで「おろす」と言う娘を呼んでこの橋を慰めてもらうことになり、 おろすに晴れ着をきせて橋を渡らせることになった。 「おろす」は杉の精を想い欄干に寄り添い、頬ずりをしながら思わず泣いてしまった。 そして「これからはささやくことを止めてほしい」と言い聞かせ、 橋を渡り終える辺りで倒れ、そのまま亡くなった。 それからは、橋がささやくこともなくなり、 人々は「密語橋」として、杉の精と、おろすの美しい愛情を語り伝えた。 ②信達一統志に、「密語橋になった杉の御魂が、朝廷に祟りをなし、 そのため平安中期の陰陽家、阿部晴明と芦屋道満が、下向し、 平癒を祈願した。村人はこのため壇を築き、それが道満塚、清明塚であると言う。 (現在の清明町の名は清明塚からつけたものである)さらに杉の御魂の祟りを なだめて祭ったのが杉妻大明神とし、この杉妻稲荷こそは当地の産神であるとしている。」 とある。 あこやの松でも笹谷峠の由来が、あこやと松の精霊が「ささやいた」 ことから、笹谷峠になっている。 密会を思わす密語橋、ささやき橋、ささや峠・・・。 これが、郡山の采女伝説に繋がってしまった。 葛城王ですな。 悲恋物語。 これがあの「音無」で。 音無が何度も出てきたけれど、ここで繋がるとは。 『郡山市の高旗山を水源とし、須賀川市、郡山市三穂田町付近を流れて 安積町日出山で阿武隈川に合流する。 かつては音無川と呼ばれており、その名や橋の名前「耳詰(ささやき)橋」は、 采女伝説で春姫が夫との別れを惜しんでささやきあった場所ということから 名づけられた。 現在、福島県道355号須賀川二本松線が通る耳詰橋付近には春姫や源頼義の歌碑がある。』 『あづま路や ささやきの橋 中たへて 文だに今は かよはざりけり』源 頼義 美しい春姫は、東北巡幸にきた葛城王に見染められて奈良の都へ行くことになります。 采女というのは、女官とよび天皇家の身の回りの世話をする仕事。 豪族の娘は天皇へ献上する一種の人質みたいなものとして、扱われていた。 逆に都から追放された皇女もいたので、貴族社会もいろいろ大変でした。 福島の伝説では、春姫にはすでに婚約者がいたのですが、 葛城王は怖い人だったのか、朝廷の命令には逆らうことができず、 都へ行かざる得なかったと。それで別れを伝える歌を送ったのが、ささやき橋であると。 これにはいろんな意味が含まれていますが、また後で。 ささやき橋 http://saigyo.sakura.ne.jp/sasayakihashi.html 奈良県では、春姫は、天皇に見そめられて寵を受けたが、その寵の衰えたことを嘆いて、 池に身を投げたと伝えられている。 奈良県興福寺の猿沢池がそれです。 洪水を邪魔した猿とはこのこと? 猿沢池 池の南東には、采女が入水する時に衣服を掛けたという衣掛柳があり、 北西には采女神社があるという。 陰陽師と禹の治水神には密室な関係があります。 妄想するに、陰陽師が退治する白狐とは、美しい女性であり、 その女性たちは、伝承として残されている。 陰陽師に関わる人たちに、あこや姫、小手姫、采女、名取老女など、 伝説の女性たちが関わり、そこに狐が入ってくるのです。 そうすると、私はずっと陰陽師を探訪していたことになるねぇ。 宮廷で繰り広げられた女同士の派閥・・・という単純なものではなさそうです。 ちなみに、音無川の源流とよばれた高旗山は、源義家が山上で軍旗を高く掲げたという伝説が 残っている。かつては宇奈己呂和気神社が山頂に建ち、 麓の現在地に遷座された現在もその奥社が存在する。 宇奈己呂和気神社とは、祓戸大神の瀬織津姫を祀っているのです。 う~ん、やっぱりそーなる。 古峯神社・足尾神(たくさんの石が奉納されています) ----------------------------------------- この杉妻大明神に晴明伝承があるということですが、 もうひとつ、北の方に石森稲荷神社というのがあり、 ここも安倍晴明が建てたと伝わるそうです。 さて、晴明塚があったとされる羽黒山真浄院にも行ってみました。 この話もなかなか深い。 つづく 忍山句碑 「野の梅の 先には道も なかりけり」 福島稲荷神社のサイト http://www.fukushima-inari.com/facility close

福島稲荷神社の安倍晴明伝説
サイト名 秩父・仙台まほろばの道
タグ 東北地方の伝説(福島県) 神社
投稿日時 2018-12-21 01:40:02

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