阿波忌部の日鷲神社の詳細

阿波忌部の日鷲神社
秩父・仙台まほろばの道
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記事タイトル 阿波忌部の日鷲神社
概要

南相馬に阿波忌部が祀った神社がありました。 阿波忌部は「鷲」なのだそうです。 阿波忌部は黒潮に乗って千葉県(安房)へ到着し、 陸路で南相馬までやってきたようです。 ※日本列島近海の海流 1.黒潮 2.黒潮続流 3.黒潮再循環流 4.対馬暖流 5.津軽暖流 6.宗谷暖…… more 流 7.親潮(千島海流) 8.リマン寒流 ところで、私は忌部の知識がないので、ここにきて阿波忌部と聞くと、 311の祈りと阿波忌部が繋がる意味は、新しい「かどで」という言葉でした。 「かどで」とは、首途と書き、砂金採りの俵藤太と、 義経が奥州へ出発したところから、「かどで=出発」の意味があります。 京都です~。 同慶寺へ行く前に、南相馬小高区の日鷲神社へ参拝してきました。 広い田園風景が広がる中に、こんもりとした森があります。 のどかな場所にぽつんと建っていた神社でした。 場所はとても良い雰囲気で、anchanさんは想像していたより明るいと言ってました。 私も暗い感じの鎮守の森にあるのかな、と思ったのですが、明るい雰囲気でした。 神社の由来 『日鷲神社は、もとは鷲宮と呼ばれ、相馬重胤が下総国(千葉県)から 行方郡(原町区・小高区)に移る際、ともに移り原町区太田に祀られた。 その後、1364年に小高区女場へ移され1872年、鷲宮から日鷲神社と改名し、 現在に至る。 当社の祭神である天日鷲命(あめのひわしのみこと)は、弓矢など武器を司る 戦の神であり、代々、奥州相馬氏から戦場での守護神として厚い信仰を集めていた。 社殿は、本殿、拝殿、弊殿からなり、本殿は1847年に造り替えられたものである。 従来は、茅葺の屋根であったが1989年、銅版屋根に改修した。 御祈祷殿では中央に四角形の護摩壇が設けられ、護摩木を焚いて願いごとを 祈る祈祷が行われている。 これは、江戸時代に相馬中村藩主の相馬昌胤が吉田神道を学び、 藩内の寺社に広めたことにはじまると伝えられている。 参道の石段は、1829年、神官の西山正友によって自力で造営されたものであり、 その一段目と三段目は当社の姿を現在まで残している。 なお、境内には山津見神社、子安神社、養蚕神社が祭られているほか、 野馬懸御水取の神事が行われた古井戸がある。』 看板の説明では、「忌部」の名はありません。 なぜ、記さないのでしょうか? 「忌部は姿を消した」とか「隠された」という話があるのですが・・・。 まず忌部の基礎知識を。 忌部文化研究所や、他のサイト(Wikipediaだけど)を参考にさせて頂きました。 ※一般社団法人忌部文化研究所 http://www.awainbe.jp/inbebunka/ ------------------------------------------------- 『忌部氏』とは、古代ヤマト王権の宮廷祭祀、祭具製作、宮廷造営を 掌った名門氏族。 忌部とは、穢れを忌む集団の意味があり、慎みもって神事で穢れを取り去り、 身を静めることを言うそうです。 祖神は、天太玉命。 中央忌部は、奈良県橿原市忌部町天太玉命神社を根拠とする。 ※天太玉命神社の本殿 天富命(あめのとみのみこと)という人がおり、太玉命の孫とされる。 神武東征において橿原宮を造営し、阿波国に続いて房総(現在の千葉県)開拓をした。 天富命に率いられて関東に入植し、麻、穀を植えたそうですが、 穀が実った地は、結城郡(茨城県)と呼び、 麻が良くなった地を総国(上総、下総)と呼びました。 阿波忌部が住んでいる所は、安房国となり、太玉命を祀る安房社を建てたと伝わります。 各地に品部(ともべ)=職業集団となる忌部氏を率い、 「八色の姓」で、中臣氏は朝臣姓、忌部氏は一段下の宿禰姓となった。 これは、上に位置していた忌部の位を下げた中臣氏により、 祈祷の権力は中臣氏によって変えられたと考えられます。 でも、代々、大嘗祭での衣類は、阿波忌部(三木家)が継承しているのです。 <地方忌部> ・讃岐忌部(香川県)― 竹や盾をおさめる。     祖神:手置帆負命(たおきほおひのみこと) ・出雲忌部(島根県)― 玉を貢納     祖神:櫛明玉命(くしあかるたまのみこと) ・紀伊忌部(和歌山県)― 木材を貢納     祖神:彦狭知命(ひこさしりのみこと) ・阿波忌部(徳島県)― 麻、木綿(ゆう)を納める     祖神:天日鷲命(あめのひわしのみこと) ・筑紫と伊勢忌部(福岡・三重県)― 鍛冶全般     祖神:天目一箇命(あめのかひとつかのみこと) 養蚕の碑 阿波忌部は、生活文化、産業の基盤になっており、 養蚕が関係する場所には、阿波忌部が関わっている事が多いそうです。 また、忌部を「斎部」といった人もいます。 ---------------------------------------------- 「天之御中主神」とは、すべての人の心に主が宿す。といった解釈があります。 天皇は、高天原に暮らしていた高御産巣日神or高皇産霊尊(たかみむすび)の子孫であるとされる。 相馬妙見と忌部が関係するのかわかりませんが、 忌部が祖とする天太玉命は、『古語拾遺』によれば、高皇産霊尊(たかみむすび) の子とされます。 岩戸隠れの際、思兼命と天児屋命が登場し、太占(ふとまに)が重要で、 斎部氏がいたと言われます。 太占いとは、亀トといわれ古代祭祀貴族、ト部(うらべ)が行ったもの。 これが後の吉田神道に影響を与える。 そのため、南相馬の日鷲神社は、太占を重視している事から、 (相馬昌胤が吉田神道を学んでいる) 由緒正しい阿波忌部の神社と言えます。 しかし、『古事記』では、「玉祖命」とあり、天児屋命と布刀玉命(ふとだま)、 アメノウズメ、イシコリドメの5人が登場。 ここで重要だったのは、太占ではなく、布刀玉命であるとされる。 古事記でいう「玉祖命(たまのおや)」は、玉造部の祖神とされ、 藤原不比等によって改ざんされたと言われる『日本書紀』にも同じように記され、 「玉造り部の遠祖・豊玉神」が登場する。 難しいのですが、妄想するに、岩戸隠れには、「玉」争いみたいな感じがあり、 『記紀』では、天児屋命が重要だったが、『古語拾遺』では、フトダマが中心的 役割があったと言う。 ここが、忌部が隠れた理由のひとつかもしれない? たぶん、これはとても抽象的なのですが、 フトダマは、言霊的なもので、「アウワ」の世界なのだと思います。 精神世界=フトダマ、物質世界=布刀玉命、みたいな。 岩戸隠れの時に、天照が岩から顔を出した時に、鏡を用いたのですが、 太陽をのぞかせる方法を編み出したのは、 天児屋命か太占のどっち?という事なんだと思います。 この「鏡」が、自分を映す鏡となれば、太陽の天照の意味の捉え方によって 全く解釈が異なります。 要するに、この話は、精神的な部分に重要視する人と、 物資的な部分に重要視する人と、異なるわけです。 「自分だったらどちらを選択するか?」と聞かれているようなもので、 かなり深い部分に行きつくので、私は忌部の方を選択します。 伊勢神宮は、アマノコヤネの方を重要視しているようです。 天照の神殿(伊勢神宮)の守護神になるよう命令されたと日本書紀にあります。 忌部は、天太玉命=太占が中心。(神の意思を問う=自分の意思に従う世界) 記紀は、玉祖命=玉造部の遠祖・豊玉神が中心。(統治する世に従う世界) 豊玉神は、櫛玉彦命に関係するのですが、忌部の櫛明玉命とも名前が違えど、 同名の神になると言うので、同一ともとれる。 忌部氏は、「名前を変えて」各地に住んでいたこともあると思います。 「櫛玉」には、二ギハヤヒの名前にも潜んでいます。 豊玉神に由来する神社は、物部氏の祖神:二ギハヤヒ説もあります。 神武東征の話にしているのは、誰かを統治させる必要があった為でしょう。 ※女陰石 古来より道祖神として祀られている。 そう考えると、秩父にも養蚕が伝わっていますが、 和銅黒谷付近(長瀞)春日神を祀り、密かにアメノコヤネを祀っている事がありました。 秩父は記紀によって編纂された土地であるということを意味するのでしょう。 南相馬は多氏や物部氏の痕跡があると思います。 秦氏もそうですが、忌部氏を秦氏の名に変えて、 中臣氏、藤原氏の政権に変えるために、「天児屋命」が重要としたとか。 春日権現がわからないので、なんとな~くとしか言えませんが。 玉祖命を祀る玉祖神社が山口県防府市にあります。 岩戸隠れの際に勾玉を作った神を祀っているそうですが、 後に八幡神にしているので、秦氏を根拠としたい思惑が見てしまう…。 忌部氏と秦氏の関係は不明ですが、同じ養蚕をもたらした事から、 婚姻関係などで結束は固い民族といった感じはします。 どちらも藤原勢力におされてましたが。 忌部が消えたのは、物部氏もそうで、藤原勢力に負けたのは、 互いに渡来人だったわけですが、忌部氏は相当古くにいた先住民だったと思います。 物部氏、蘇我氏、秦氏などの氏族は百済系(坂上家も)・高句麗に制圧されたことが、 エミシ征伐に繋がります。 それは秩父でも同じで、和銅に早く入ってきたのは新羅系と言われます。 (群馬県の多胡碑にある羊太夫説) 忌部の位置は、そのどちらにも属さない選び方をしたのかもしれません。 統一を目指していたけど、藤原家では通じなかったと思います。 宮城県も養蚕が多いですが、忌部の名はありません。 その変わり、羽という地名が多く、秋田には物部氏がいるように、 物部氏、多氏の痕跡もあり、春日神や鹿島神は特に多い。 藤原勢力は点々とあるんですね。 途中で、藤原家に寝返ったことも考えられます。 もちろん、藤原家が悪いというのではなく、 時代を変えていくには、必要だった藤原家なのだと思います。 -------------------------------------------------- 難しいのですが、今、ちょうど年号が変わる時なので、 天の岩戸開きみたいなことがシンクロしている感じなんですけど、 こういう時だから、そうなるのも必然というか。 見えない世界ですが。 派手な岩戸開き。楽しそうなんだけど・・・。 ※岩戸神楽ノ起顕(三代豊国) anchanさんから数霊の話で、「312」は、始まりといった意味があるそうですが、 311の数霊は、その始まりの前に壊す意味があるというのです。 砂曼荼羅みたいなのですが、壊されたこっちは、大変です。 しかし、人間の勝手な行為により破壊は伴うのだから、反省すべき点がたくさんあります。 原発も武甲山も、それを物語る負の遺産ですが、妙見信仰は破壊神だと言われたら、そうなのかもしれない。 でも、それも勝手な都合よい解釈でしょう。 そういえば、以前、阿蘇山など南の火山帯の噴火で天の岩戸妄想したことを思い出す。 阿蘇山の噴火がレベル2にあがったと聞いて。 真実を伝えてほしいことは、忌部も同じだと思います。 その思いや共感できる人たちが、南相馬に引き寄せられた感じもします。 全ては狼の遠吠えから始まった・・・。 なので、頭をフル回転してついて行くことにした。 でも途中で、ばてると思う。 どこまで続くか。 とりあえず、気になる「蹟祖大嘗祭」て何? というところを。 つづく close

阿波忌部の日鷲神社
サイト名 秩父・仙台まほろばの道
タグ 東北地方の伝説(福島県) 神社
投稿日時 2019-03-16 17:20:02

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